ロゼット生産性仮説

昨年のタンポポ開花に関する印象は以下のようなものだった。

4~6月ころあちこちでタンポポが咲き誇って、夏の終わりから秋にかけてどんどん数を減らし、9月末から10月ころには完全に姿を消した。それで、タンポポは冬には咲かないと思い込んでいた。ところが、11月ころから場所がかなり限定されてはいるが、何か所かで黄色い花を咲かせているのを見かけ驚いた。1月、2月にも咲くタンポポがあることを知った。

 

それで、今年はどうかと言うと、もっと咲き方にアクセントがあることがわかった。具体的には3月23日に一斉に開花し、4月15日に一斉にその数を大きく減らしたということ。その間、23日。その後もタンポポはあちこちで継続的にみられるが、3月23日から2週間くらいの間のように「どこもかしこも一斉に感」がない。下図Aのような咲き方ではなく、Bのような咲き方に感じられた。

f:id:tampopo2020:20210501135514p:plain

何故、こんな現象が起こるのか不思議に思ったので、以下のような仮説を立ててみた。

 

f:id:tampopo2020:20210501135829p:plain

今日は島忠の前の交差点で以下のタンポポ・ロゼットを見つけた。これは、第一期を終了し、第二期の生産段階に入ったのだろうかなどと想像してみた。第一期が終了した証拠はロゼット中心から放射線状の茎(その先端の多くは坊主頭、一本だけ綿毛)の数の多さから予想される。

 

f:id:tampopo2020:20210501140236j:plain

綿毛が耳に入ると

少し前まであっちにもこっちにもタンポポがいっぱい咲いていたのに、その後、急激に数を減らす様は驚くばかりだ。どうしてそんなことになるのか知りたくて、定点観察を始めた。4月6日から11日ころまでは黄色い花がたくさん咲いていたが、その後、急激に数を減らし、今日(4月19日)はほとんど咲いているタンポポがない。残っているのは枯黄蕾や白蕾や綿毛や坊主ばかりで全然美的でない。そんな様子を写真に撮っていたら、通りかかりの人(今日はおばさんだった)が「何を撮っているんですか?」と興味深そうに声をかけてきた。「タンポポです」と答えたものの、目の前にはタンポポの花が全くないので困ってしまう。それで「ここに少し前までいっぱいタンポポが咲いていたんですよ。それがどう変化するか写真に撮っているんです」。「そうなんですか」と言いながら、目の前にいっぱい生えている綿毛を見て「随分長く伸びてますね。これ、耳に入ると大変なんですよね」と。そういえば、子供の頃、友達が「これが耳に入ると耳が聞こえなくなるぞ」と脅かしていたのを思い出した。あれは本当だったのだろうか?

f:id:tampopo2020:20210419234009j:plain

 

ナガミヒナゲシという導火線

あちこちでよく見かけるケシのような外観をした雑草。それ以上の関心があったわけではなかったが、昨年の4月にたまたまのその花の中を覗き込んで驚いた。何とも怪しげな美が輝ていた。それがきっかけで色々な花の中を覗き込んでいるうちに、タンポポのゼンマイに出会った。タンポポが「地」から「図」に転換する瞬間だった。ナガミヒナゲシタンポポに繋がる導火線だった。そのナガミヒナゲシが今年は元気がない。もし、昨年この元気のないナガミヒナゲシを見ていたら、タンポポは今でも「地」のままだったかも知れない。不思議なめぐり合わせだ。

 

f:id:tampopo2020:20210419165821j:plain

 

白いタンポポとの出会い

<白いタンポポとの出会い>
いつも通る道端でタンポポの写真を撮っていたら、どこからかおじさんが寄って来て「何を撮っているんですか?」と問う。「タンポポの大きさを測っているんです」と答えて自作のタンポポ・スケールを見せた。すると「タンポポだけですか?」とちょっと不思議なことを尋ねる。「タンポポだけです」というと、少し間があって「白いタンポポありますよ」。「えっ! 綿毛のことですか」と聞くと黙って歩き出す。ついて行くと、すぐ2~3メートル先で「これ」と下を指さす。見ると、ひぇー、本当に白いタンポポ。びっくりしたー。何とか言う場所で見つけてここに植えたのだという。何とかという場所を忘れないように2度も聞いたのに、案の定忘れた。白タンポポの向かいには場所柄に不釣り合いな掘っ立て小屋の「団子屋」がある。いつも「こんな店で商売成り立つのかな」などと思いながらその前を通っていた。白いタンポポを植えたおじさんはその「団子屋」のご主人だった。ひぇー。
写真の説明はありません。