場所が漂流する

場所が漂流する。「あっ、ここにタンポポが咲いている」と気づいた時の「ここ」がどこだかわからなくなってしまう。それで取り合えずタンポポを含めた近辺の写真を撮っておく。あのタンポポはどこにあるのか考えてみると、今は自分の記憶の中にしか存在しない。「今・ここ」体験は一瞬後には記憶に溶け込む。一旦記憶に溶け込んでしまえば、全ての記憶は同位になってしまう。南米の北東にガイアナという小さな国がある。台湾はガイアナに台湾事務所を置くことでガイアナと同意があったことを公表した。ところが、公表の翌日には、ガイアナはその同意を取り消した。中国の圧力があったと言われている。ガイアナと言う国は記憶の中にしか存在しない。しかも行ったことがないのだから、実際のガイアナの記憶ではない。ガイアナについて語られていることの記憶にすぎない。そのガイアナの記憶とタンポポの記憶は自分の心の中では何故か隣り合わせになっている。心の中で「場所」はどうつながっているのだろう。

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